オクターブの奏法

スクリャービンのワルツ op.38 を練習している。後半にはオクターブのフォルテ連打でメロディーを奏する部分があって、テンポも速いし、オクターブが続く部分がかなり長い。

オクターブを歌わせるにはどうすればいいか。2~3時間、オクターブだけを練習していて気付いたことがいくつかある。

下記は現時点での自分の気づきであり、「これが正しい」という主張ではありません。今後の練習で、テクニックの刷新が起き、覆ることもあるでしょう。

前提

まずもって、オクターブは1の指と5の指を使った奏法と考えない方がいい。2,3,4の指を思考から外してはならない。2から5はひとつながりの扇子みたいなもので、この骨格全体を鍵盤上でどう保持するか、がカギとなる。だから、2から4の指もオクターブに参加しているのだ。

そして指の中で、1と2~5は完全に役割、機能が違う。だから、均質なオクターブを弾くにしても、指の使い方は1と5でラディカルに区別しなければならない。

手のひらを開く

オクターブを弾く前に、オクターブが手を開いた状態での奏法であることを確認しよう。手は閉じているのが自然な姿だが、閉じている時と同様、なるべく指自体の脱力が達成されたまま手のひらを開いていく必要がある。

手を開くときに、手のひら自体を開かず指を緊張させて伸ばしている場合がある。指を脱力したまま、ホンモノの手のひらだけをうまく開いていくのは結構難しい。

手のひらの根元の中心の中心から、均等に拡張していく。これだけでもうまくやるのは難しいです。

自分は左利きなので、左手を手本にして、右手を左手に近づけるようにリハビリしています。

1と5の区別

下記は、オクターブをつかむのがやっとの手でオクターブを無理なく弾くにはどうするかという実証実験なので、ちょっと特殊かもしれない。手がもっと大きな方は、本来の1の指の使い方(腕の一部として扱う)を意識したほうが良いかもです。

手が小さい場合には、手のひらを上記の要領で開いた後に、さらにオクターブのサイズにあわせた拡張をもう一息してあげる必要がある。

その際に手のひらの付け根の手首付近のV字を意識して、グッと1と5の指を手首側(手前)に引き寄せてあげる。

そうすると1と5の指はほとんど真横を向き、鍵盤の横方向と平行になる。
※これは手が小さくても指自体を脱力させるために仕方なく行っていることで、本来は望ましくないでしょう。

この状態で、1と5は異なる使い方をする。

1は鍵盤に向かって突き立てるようにし、軸として支える。一方、5は鍵盤に添えて奥側に滑らせるだけ。音のバランスは悪くなりますが、どんどん親指主導で弾いていきます。

これを極端にやっていると1を中心軸とした内向きの回転が生まれてくる。弱い5は鍵盤をホールドすることはなく、前側にどんどん滑っていくだけで、滑らせる動きを止めずにいると自然と内回りの回転になります。

オクターブを「つかむ」のは間違い

オクターブをつかむ という表現がよくあるが、これができるのはもともと手のサイズに余裕があって指先でホールドできるタイプの人だけだと思う。私のように手を精一杯ひろげてオクターブに届くような場合、つかむと最後、戻ってこれなくなる。

鍵盤を跳び箱を飛ぶときの板だと思って、前へ飛び跳ねていくイメージ。その時、指は微動だにしない。鍵盤に着地するだけで鍵盤をつかむことはない。つかむ動きによって、次々弾いていくときの循環する動きが制御されてしまうからだ。

手の付け根のV字で支え、前腕で腕のバウンドの動きを制御しながら、(指ではなく)手を着地させていく。うまくいくと、「水切り」の石のように面白いくらいどんどん弾いていけますよ。

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