「演奏家になれるならなりたい?」

ずーっと同じ熱量で続けてきたことなんだけど、奇妙なことだ。

自分ひとりでやっていた時には「ピアノなんて、いい趣味をお持ちですね」、
音楽学校に入って、学生になったとたん「ピアニストを目指されているのですね!」になるのは、なんだかとっても変。

いえいえ、うまくなりたい気持ちと好奇心から、ずっと同じ心で、変わらず20年続けているだけですよ。と言いたくなる。

音大生の肩書をしょったとたんに、いろんなところで明らかに周囲の反応が違ってきている。いろいろ、ありがたい出来事も増えた。
裏を返せば、在野の(?)非職業ピアニストたちがどれだけ価値を評価されていないか、ということだ。

私自身、職業ピアニストを目指しているけれど、仕事だって大好きだ。だから、卒業後、喜んでフルタイムの正社員に戻ることも思いっきり考えている。で、私がフルタイム正社員に戻ったら、また「いいご趣味をお持ちで」と言われるのか?

ビジネスの世界を見れば、「自称コンサルタント」「自称経営者」「自称インフルエンサー」みたいなのは溢れているのに、なぜか立派なピアニストが、周りへの遠慮から「ピアニスト」と名乗りにくそうにしているのは非常にもったいない。足のひっぱりあいをやめて、みんなが堂々とピアニストと言って発信して、興味のある人が群がる、というふうになれば、全体として豊かな業界になるのに、と思う。

アマチュアプロ論争に深入りするつもりはないけれど、色んな立場を経験してきた(今後も経験するであろう)身としては、肩書きや経歴で判断するのでなく、その人の音楽に興味を持ちありのままに聴取する姿勢が世の中に根付いてほしい。

つい先日、学生時代の知り合いに「演奏家になれるならなりたい?」って聞かれたけれど、次からは、こう答えようかな~

「いつだって、第一優先で音楽的な人であるように心掛け続けたい。演奏家になれるか、というよりも・・・。自分の在り方として、音楽的でない瞬間を極力作らず生きていけるかどうか、すっごく気にしてる。」

ってね。

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